帝京大学での男子学生への性差別

2022年11月23日

t f B! P L

帝京大学の教員が、男子学生に対して「女子なら自分のゼミに無条件に入れるが、男子は対象外」かのような性差別的な発言をおこなっていたことが、2022年11月22日までにわかった。被害学生がツイッターで告発し、大学側も事態を把握して調査をおこなうとしている。

大学側が事態を把握し、調査をおこなっているとしている。

経過

学生は自分の興味のもっていた分野のゼミに入ろうと、担当教員にメールで連絡した。

学生の名前は、漢字表記すると女性にも多い名前だという。女性のスポーツ選手やアナウンサーなど女性有名人にも同じ漢字表記の名前の人がいる。

メールの名前を見て女子学生だと勘違いした担当教員は、「女子学生さんですよね?女子みたいな男子もいますので、念のため。歓迎いたします。男子には内緒ですが、女子は基本的には応募=採用です」などと返信した。

しかし学生が「自分は男性だ」と伝えて教員と面談すると、教員の態度が一変した。

教員からは「あんたが女だと思ったから、優先的にとるつもりだよ、と。でもあんたが男だったらそういうわけにはいかない」「公式にゼミの案内に(女性を優先的に採用すると)出したら他の人からクレームくるし学部長からも『君これダメだね』って」「あんたのこと女だと誤認したのは僕のミスだけど。そりゃしょうがないよな、あんな名前なんだから」「入り口のところで門前払いはできない。機会は平等に与える。でも結果の平等はないよ。採る側の都合で考えて決めるのは当たり前」などと男子学生に対して発言した。

学生は教員とのやりとりの音声を録音し、ツイッターにアップした。

大学側も学生の訴えを把握し、「大学側としては、ハラスメントを容認する立場ではない」「当該案件については調査したうえで、経過を報告する」 と公式サイト上にアップした。

「フェミニズム」をこじらせた末の女尊男卑・男性差別

この教員の場合は、あまりにも露骨な行為をしたから問題になった。

しかしこの手の「慈悲的性差別主義」といわれるような、家父長制パターナリズムを振りかざして女尊男卑・男性差別をおこなう「フェミニズムを偽装・僭称した何か醜悪なもの」というべきものがはびこっている。そしてそれは「鼻の下を伸ばしたおっさん」やら「いきっていい格好したいDQN男」などの取り巻き・「ケツ持ち」を期待する発想でもあるので、そういうのと安易に結びつく。

決して、特定教員の個人的暴走ではない。「フェミニズム」と称した何か醜悪なもの、あるいは「ジェンダー平等」をはき違えたものを押しつけるような、昨今の社会的風潮がこじれるところまでこじれたというものである。

この件に限らず、学校では、女子生徒・女子学生に下駄を履かせ、男子を男子というだけで悪者にするような、ジェンダーの再生産なども、あちこちで横行している。

例えばこれなど典型的な例。


「頭の古いおっさん・鼻の下を伸ばしたおっさん」だけではなく、「フェミニスト」を自称・偽装するのがこういうのと結びつく。「フェミニスト」が家父長制パターナリズムの隠れ蓑になり、本来なら正反対の概念のはずのものがおかしなアウフヘーベンで結びつくことになるという、シャレにならない話が横行していることになる。

そして弱い立場の男性に矛先が向くということになる。彼らは男性というだけで別に何の権限も権力も持っているわけではない。そして一方的に攻撃される。さらに弱い立場の男性・不利益を受けて是正を求めた男性が声を上げても、この手の「フェミニスト」から「男のくせに声を上げるな」的なおかしな圧力や罵倒が飛んでくる。

学校現場、また社会での、男性へのジェンダー差別は、女性へのジェンダー差別と同時に変えなければならない。「女性にジェンダー差別がある」という名目で、女性を優遇し、男性を排除するのは、ジェンダー差別でしかない。

男性への不利益もジェンダー差別

この事件の直前には、東京工業大学の入試で、「女子枠」が作られるという暴挙があった。工学部に女子を増やしたいというだけで、女性枠を作って優先入学させ、圧倒的に男子受験生が多いのに男子の枠を狭める形になって、男子受験生に不利益を与えるというもの。工学部に女子の志願者が少ないという話は、枠を増やせばいいというだけでなく、高校以前からの教育のあり方や、障害キャリアを見据えて将来設計をもたせるような展望を作ることなど複合的なものでやるべき。何の非もない、弱い立場の男子受験生をスタートラインにすら立たせない・排除することでは何の解決にもならない。また多くの女子学生にとっても、自分の実力ではないのに「下駄を履かされた」扱いになるのは迷惑極まりない。

大学入試だけでなく、企業などの管理職でも、そういう制度を使って「女を武器」にのし上がることを是とするような一部「フェミニスト」女性は、実力が伴わずに祭り上げられている形になって、実力で評価されている人間なら起こしようがないような面倒ことを起こしたり、問題になっても周囲に押しつけて逃げるなどの、ろくでもないクラッシャーになる率も高くなる。過去には理系のある分野で、お騒がせ女性研究者の案件もあった。

逆に、看護や保育など女性が圧倒的に多い分野では、男子枠などの話は聞いたことがない。それどころか、男性保育士が男性というだけで偏見を持たれ、業務が制限されたり業務上の不利益を受ける事例が出ているとして、当時の千葉市長が「保育士は保育の専門家として男女平等に業務に従事させる」という意向を表明すると、「フェミニスト」を自称する者が一番激しく抗議していた。

これらの経過は、本質的にこの教員のしたことと同じ構図でもある。「慈悲的性差別主義」によって女性を優遇し、男性を男性というだけで冷遇したり不利益を与えるなども、ジェンダー平等に反することである。

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