個人からの大組織への批判が「リーガルハラスメント」なのか

2022年11月30日

ネット 人権

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2022年11月29日、某団体とその代表が、自身を批判するネット上の発信者を「名誉毀損」として、団体の運営法人と代表個人へそれぞれ損害賠償請求などの民事訴訟を提訴するとした記者会見。

その様子は多くのマスコミで報じられている。

記者会見を全部ネット中継で見ていたが、記事になったものと見比べると、受けた印象が全く違う。

ネットでの発信者は、当該団体が公費での補助金を受け取って不透明な収支をしているのではないかと疑念を持ち、情報開示請求なども使って調査をし、調査内容をネットで発信していたという。団体側によるとそれが誹謗中傷や名誉毀損にあたると主張している。

補助金や経費の問題については当方では詳しいことはわからないので、その部分についてはなんとも言えない。

一般的にいえば、公金の使われ方などについて、発信者が疑念をもって調査し、行政に開示請求をかけることなどは、市民の権利として何の問題もないものだと思われる。しかし記者会見では代理人の弁護士の一人が、市民オンブズマンでもない個人なのにそのような請求をおこなうことは「リーガルハラスメント」などとかなりどぎつい言葉で発言していた。

何の権限も持っていない一個人だとみられる発信者に対し、相対的に強者の立場にある団体の代理人弁護士が「リーガルハラスメント」などと軽々しくいう方が、萎縮効果をもたらす結果を招きかねずに、スラップに近い効果をもたらす可能性もあり、極めて問題であるとも感じる。

ほかにも弁護団の弁護士が発言していたが、うち数名は「(情報開示請求行為は)対行政暴力だ」だとか、直接関係のないAVの話を持ち出すなど、「いくらなんでもこれはない」「法律的には素人でも、その論理で弁護するなら、素人の感想としてですらおかしいと感じる」という主張をおこなっていた。

また全体的に、相手側が指摘している具体的な内容に対して、団体側の反論は具体的ではなく、「相手が男性で、自身が女性だから、女性差別を背景とした嫌がらせだ」と決めつけて感情的に被害者面しながら攻撃しているという抽象的な内容、相手への印象操作に終始しているという印象を受けた。 マスコミなどでの露出・発言の機会も多いような有名人とその取り巻き・また同種事件の弁護の界隈では有名な弁護士という強者の立場の人間がよってたかって集団で、相対的に弱い立場の一個人を集団リンチで攻撃しているようにみえる。

マスコミ報道では、団体関係者や代理人弁護士のそういう発言について全く触れられていないのが、不思議であり不可解に感じる。もっともヤフーニュースでの当該報道記事にぶら下がっている感想は、「ネットでの記者会見をあわせて見たけど、団体側の言い分はどうなの」という感想も目立っていた。

また被告とされた側についても取材がないままに、原告側にとって都合の良さそうな言い分のみ報じられている印象を受ける。

またこの団体の代表や、その取り巻きなどは、普段からあちこちに暴力的・恫喝的なハラスメント言動を繰り返して、自分たちの意に沿わないとみなした人間を一方的に攻撃してきた。被害に遭った個人や組織・集団は多数いて、ネット上では被害者からの批判・反感も渦巻いている。

  • この人物から学生時代にいじめ被害を受けたと告発した元同級生に対して、この人物と取り巻きがよってたかって恫喝した。
  • 保育団体関係者に一方的に嫌がらせをし、相手から反論されて分が悪くなると、相手が男性だったことで「女性差別だ」と攻撃。困惑した相手側が「私が男性だからといって何か関係ありますか」と反論すると感情的になり、取り巻きと一緒になってよってたかって相手を罵倒した。
  • 某新聞社系ニュースサイトが、団体代表のツイッター書き込みを何の主観的な感想などもなしにそのまま紹介しただけとしか読めなかった記事に対して、「自分のツイッター書き込みへの「誹謗中傷」(実際は単なる批判が大半)が相次いだことは、記事で紹介されたことが理由である」として、当該サイトに対して「記事は名誉毀損だ」と主張して攻撃した。 
  • ネット上では、自分にとって気に入らない男性を「キモいおじさん」呼ばわりで吊し上げて罵詈雑言を吐くような、下品な動画を平気で繰り返しだしている。
  • 2021年総選挙では、共産党に対して、「ジェンダーを含む人権問題に精力的に取り組んでいる」という、この人物にとってお気に入りだとみられる女性候補者が落ちたことは「比例順位が下位だったこと、上位の候補が男性だったことは女性差別だ、女をおっさんの養分にした」と難癖を付けて一方的に攻撃。 実際は、当該女性候補は最重点候補扱いで、政党としては「当該候補者は小選挙区では重点候補扱いされていた」「重複立候補していた比例の順位でも、当選した候補とこの女性候補をまとめて押し上げることにしていた」という扱いをしていた。しかしこの人物は、自分たちの考える「ジェンダー」以外の政策はどうでもいいとばかりに、当該政党を攻撃。
  • 共産党に取り憑いて、当該候補者の応援演説や前後してのビラまきに参加しながら、実際は街頭宣伝でビラまきなどをしていた男性運動員や、その場を通りかかった通行人の男性を「キモいおじさん」などと一方的に罵倒。
  • 2021年総選挙では、野党共闘系無所属(のち立憲民主党に入党)で初当選した米山隆一衆議院議員を「買春パパ活オヤジ」と罵倒した。その流れで、米山議員の妻にあたる作家・室井佑月氏に対しても「妻は性欲処理機ではない」と中傷し罵倒。
  • 別の社会支援団体の代表者に対して、ツイッターで「自殺対策ビジネス」だと一方的に中傷・罵倒。
  • アニメ産業従事者や愛好家(俗に言う「オタク」)、AV関係者などに異常な偏見と差別の矛先を向け、劣った存在扱いでどんな暴言や人権侵害行為をしてもいいとばかりに罵倒する行為を繰り返す。

こういう卑劣な行為を繰り返している常習者の人物である。

自分たちがそのような恫喝をしながら、少しでも批判されると被害者面しながら一方的に攻撃をかけるというのも、筋が通らない。

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