対立陣営からの嫌がらせはほとんどなかったという。その一方で、「支持者と称して接近して自分の思い通りにさせようと迫り、思い通りにならないと手のひらを返して嫌がらせをしてくる」「私生活に過剰に介入や詮索をしてくる」などの「支配的な人、過度に依存的、異様な執着を示す人」に嫌気が差したという趣旨のようである。
政治家に限らず、何らかの活動をおこなう団体・組織の運営に関わっていれば、外部の敵対的な人物・集団からの妨害よりも、「サークルクラッシャー」的な人物が現れて攪乱させられることで悩まされることは、しばしば直面することではある。
「引退宣言」の広がりと周囲の対応への違和感
しかしその一方で、違和感を感じた。
この市議が直面した個別の事例では、加害者は中高年男性が多かったとのこと。
しかしこれをネットなどで拡散したがる人間が、個別の事例を過剰に普遍化して「おっさんによる若い女性へのハラスメント」と一面的に扱っていることが気になった。
「サークルクラッシャー」的な、「組織や運動内で地位が上とばかりにマウンティングをかけ、運動の看板に過度に依存し、構成員に自分の思い通りにしろと迫り、思い通りにならないと手のひらを返して敵対的な態度を取ったり悪口を振りまく」「平気で私生活に干渉し詮索してくる」などの行為をすることが問題の根幹のはず。
これは別に、「中高年男性」特有の言動ではない。
当方が個別に見聞きした事例では、この市議が受けたような被害と同じような加害行為をした加害者が「若い女性」で、逆に被害を受けたのが「男性」という構図の事例もあった。
「男性=加害者属性、女性=被害者属性」に一面的に矮小化して論じることは、男性をひとまとめにして敵意を向けて攻撃する似非フェミに悪用されるのではないかと不安になった。
似非フェミの主張に悪用される
やはり不安は的中した。
これも。「男性フェミニスト」を自称しているが実態はミサンドリーむき出しの女性に媚びるだけで「名誉女性」ともいうべき言動を繰り返しているとして、一部界隈では有名な人物。
完全に「女性だから被害を受けた。男性はいつでも加害者だ」という形にすり替えていて、問題の根本となる「組織内で立場が上と位置づけて支配欲を振りかざした者によるハラスメントだ(女性から男性へというケースも起こりうる)」という視点はない。
似非フェミが、普段からの「男性(特におっさん)への敵意・蔑視をむき出しにするハラスメント」を大々的におこなう絶好のチャンスとばかりに悪用しているという印象。
渦中の女性市議自身も、気に入らないことがあれば「女性」の性別の属性に落とし込んでウーマンスプレイニングをかけ、悲劇のヒロイン気取りで振る舞う傾向もある様子。
評論家の評論からリンクされていた市議のこの文章。 これは事実誤認の部分が多いもの。ここで示されている事件の経過は、女性社会運動家と男性社会運動家が論争になったことを、女性が《自分が女性で、しかも相手よりも年下》という属性を悪用して突然「マンスプレイニング」と言いがかりを付け、周囲の似非フェミがよってたかって加勢したとしか読めないもの。「女性であること」のポジショントークに加勢しているのではないかと疑われる。
そして「引退宣言」が話題になった後の対応もひどい。男性からの反響で「気に入らないと見なしたもの」を一方的に吊し上げ、晒している。まるで男性から意見が来ること自体が気に入らない、すべて「依存的だ」と扱うとも読めるような対応。そしてさらには、自分の思うような方向とは違うような方向になったからネットやSNSでの「断筆宣言」。
「自分に100%共感して無条件にちやほやしろ、さもなくば敵」とばかりの、それこそ依存的な態度ではないかと感じる。男性だから女性を守って当然という理想化、そしてそれが望まない結果になると「マンスプレイニング」とこき下ろす脱価値化ではないか。
当方が知っている事例では、ある団体で、女性構成員と男性構成員がトラブルになった。女性側がこの市議と同じように「団体関係者の男性から威圧的な対応をされる被害を受けた」と団体関係者に訴えた。しかし調べてみると実際は「自分は女性だからちやほやされて当然」というおかしなフェミニズムと「身内がその団体関係の有力者」という権威で、その女性が「加害者」と名指しした男性に対して威圧的な対応をして威張り散らし、都合が悪くなると「女性差別」をでっちあげて被害者面していたという、「組織内いじめ」といえるような胸糞案件だった。 ――ということもあった。
この市議の被害については、本人が綴っている範囲でしか知らないし、調べようもないので、「一般的にいえばそういう被害はありうる」し、「逆恨みによるでっちあげだ」などと決めつけるつもりもない。しかし一般的な話として、周囲を馬鹿にしているような態度でトラブルを招いたという例も知っているだけに、非常に複雑である。