古典作品、差別的表現を修正して出版

2011年1月8日

ニュース

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CNNのニュースで、以下のような気になる記事を見つけた。

http://www.cnn.co.jp/usa/30001415.html
マーク・トウェインの冒険小説に差別語削除の新版
2011.01.05 Wed posted at: 20:24 JST

��CNN) 19世紀の米作家マーク・トウェインの代表作「ハックルベリー・フィンの冒険」と「トム・ソーヤーの冒険」が、黒人への差別表現を別の言葉に書き換えた版で新たに出版される。

米出版社ニューサウスが、両作品を1冊にまとめた新刊を2月15日に発売する。出版側は、読者層を広げるため「苦渋の末」に書き換えを決断したとしている。ハックルベリー・フィンの冒険は、差別表現を多用しているとの理由から一部の高校などで禁止されてきた。初版は7500冊の予定だが、反響によっては倍増させる可能性もあるという。(以下省略)


差別表現等を公然と出すことは確かに問題だろうが、一方で新たに発表した作品というわけではなく歴史的な文章でもある。新作作品や発言などで差別的な表現をとった者などとは分けて考えなければならないだろう。

かつては問題とならなかったものでも、時代の変化に伴って不適切・差別的と見なされるようになった表現などたくさんある。日本語でも、その手の表現はいくつも思い浮かぶ。

現代の感覚では差別用語だからといって歴史的背景を考慮せずに古い文章に機械的に反応しても、場合によっては反応する側こそが差別的な態度をとっているとも受け取られかねない。

また『ハックルベリー・フィンの冒険』は、むしろ人種差別へのアンチテーゼとして描かれているという指摘もあるという。

難しい問題ではあるが、原文をいじらずに、「現代的な感覚では不適切・差別的と感じられる表現を使用している箇所もあるが、当時の時代背景を鑑み、歴史的文章として原文のままで表記している」という注釈でもつけた方がいいのではないかとは思う。

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