文部省唱歌「小ぎつね」。古いドイツ民謡に日本語の歌詞をつけて文部省唱歌としたものである。日本語の歌詞は、小ぎつねが人間のまねをしておしゃれをしようとしているかわいらしい情景ではある。
しかし元のドイツ語の歌詞はすごい。原語タイトルは「Fuchs, du hast die Gans gestohlen」。直訳すると「キツネめ、ガチョウを盗んだな」
キツネが出てくるのは共通だが、キツネが泥棒をしたとして戒める内容になっている。
歌詞も「キツネめ、ガチョウを盗んだな。返せ、返さないとハンターが撃ちに行くことになるぞ」「鉄砲で撃ったら死ぬぞ」「お前にはガチョウは不必要だ、ネズミで我慢しておけ」(意訳)と、日本語の感覚からみればどぎつい表現が並んでいる。