特に有名な京都の五山の送り火。「大」の文字やその他の文字が山肌に浮かび上がる。
学生グループがいたずらで、こっそりと数人集まって山に登り、点火時間に合わせて懐中電灯を持って並んで立ち、大文字の「大」を「犬」にしたとかいう都市伝説がまことしやかにささやかれることもある。
その都市伝説には、実行者の学生が「京都大学の学生」と名指しされている、犬文字を目撃した市民が大ブーイングを食らわせた、送り火を管理する地元団体の関係者がカンカンになって学生に大目玉を食らわせたなど、様々なバリエーションがある。
この都市伝説については時々話題になるが、発生したとされる年も曖昧で、目撃情報の写真もない。少なくとも全国紙の縮刷版では、そういう珍事件が実際に報じられた事実は確認できないという。
市民が大ブーイングとか、送り火を管理する地元団体から大目玉を食らったとか、そんな事実があるなら、もっとはっきりとした証拠が残っていてもおかしくないはずだが。
誰かが適当に言い出した冗談が、自然発生的に広まったのかもしれない。
一方で、こちらの犬文字は正真正銘の本物。
秋田県大館市の大文字送り火では、 2017年に犬文字の送り火がおこなわれたとか。
毎日新聞の記事より引用。
秋田・大館 「犬」文字、山肌に浮かび ハチ公しのぶ
毎日新聞2017年8月16日 20時28分
秋田県大館市の先祖を供養する送り盆行事「大館大文字まつり」が16日夜、当地であった。今年で50回を迎えたことから、秋田犬「忠犬ハチ公」の生まれ故郷であることにちなみ、大文字焼きならぬ「犬」文字を山肌に浮かび上がらせた。 (以下、略)
https://mainichi.jp/articles/20170817/k00/00m/040/065000c
こちらは都市伝説ではなく正真正銘のもの。忠犬ハチ公の話は東京・渋谷を舞台としているが、ハチ公の生まれ故郷は秋田県大館市で、子犬の時に東京の飼い主宅に引き取られたもの。それを記念したものだそうな。