高裁では一審判決を破棄し、審理差し戻しをおこなった。
http://www.asahi.com/national/update/1221/SEB201012210012.html
知的障害の女性の告訴「有効」 福岡高裁支部が一審破棄
��asahi.com 2010年12月21日11時47分)
「告訴能力」という知的障害者の人権にかかわる問題が争点となった強制わいせつ事件の控訴審判決が21日、福岡高裁宮崎支部であった。榎本巧裁判長は、知的障害者の女性の告訴能力を認めなかった一審判決を破棄し、宮崎地裁に審理を差し戻した。
知的障害者が被害者の事件では、告訴能力や証言の信用性をめぐり、被害を受けたとする側に厳しい司法判断が言い渡される場合が多い。今回の高裁判決は告訴能力について「自己の被害を認識し、被害感情を持ち、加害者への制裁を求める能力があれば足りる」とし、女性の告訴能力を認めた。
起訴状などによると、元タクシー運転手の男(61)は宮崎県内で昨年2月11日、わいせつ行為をするために女性を乗用車で連れ去り、その車中で女性の下半身を触るなどしたとされる。強制わいせつ罪などは親告罪のため、女性が強制わいせつとわいせつ目的誘拐の疑いで男を告訴していた。
検察側は、中学生以上の知的能力があれば告訴能力はあり、女性の知的能力は中学生以上だと主張していた。一方、男は取り調べの段階では容疑を認めていたが、公判では「合意の上だった」として起訴内容を否認した。
一審の宮崎地裁延岡支部判決は、女性を「被害者」としながら知的障害を理由に告訴能力を認めず、「告訴は無効」として公訴を棄却した。これに対し、検察側が控訴していた。
とりあえず一審判決のひどさが是正されたことには一安心。適正な審理を願うものである。